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筋膜(きんまく)ってなぁに?
筋膜を解剖で語る
- 筋膜がかたまっている。
- 筋膜の動きが悪い。
- 筋膜の炎症で痛い。
最近、筋膜に対する治療法を目にして気が付いたことがあります。
それは、「筋膜でなく筋肉の方でしょう?」と言いたいのです。まず、筋膜とは何か?ですが、筋膜とは、筋肉を覆っている膜です。イメージ的には『食材を包んだラップ』のラップの部分が筋膜です。
筋膜の構造は、何層にも重なっており、表層はコラーゲン層でできています。ちなみに、コラーゲン層は線維芽細胞が生成した物質であり、細胞ではありません。筋膜は、引っ張れば「びよんびよん」に伸びますし、縮めれば「くしゃくしゃ」にもなります。
例えるなら、ゴムのように伸びるラップのようなものと思ってください。筋肉を包み込んでいる訳ですから、筋肉の伸び縮みに合わせてとても柔軟で丈夫なつくりになっています。
筋膜が固まる理由
もし、『筋膜が固まってしまう』としたら、動きのない状態で二か月間経ったときです。長期間、動きがないと筋膜同士がコラーゲン線維で癒着するからです。ですが、心配はご無用。癒着は動いたり、マッサージをされたりすれば簡単にはがれ、動きを取り戻すからです。そんな筋膜が痛みを感じるとしたら、それは、循環不全になったときです。
筋膜の癒着以外に、筋膜が硬くなってしまう場合が、もう1つあります。それは老化です。
本来、結合織は綺麗に並んで存在しています。ところが年数が経ってくると結合織の並び方がだんだんと崩れてしまいます。綺麗に並んでいた時は、引っ張っても「びよんびよん」に伸びましたし、縮めても「くしゃくしゃ」になりました。ところが、並び方が崩れると、その部分が引っかかるようになっていまい、スムーズに伸びたり縮んだりできなくなってしまうのです。
これが、年齢とともに発生する「体の硬さの原因」と考えられます。
痛みのセンサーの位置
筋膜には筋肉に発生した異常を感知するために、痛みを感じる神経があります。筋膜が硬くなり筋肉が上手く動かず、循環不全が発生した場合、「ここの筋肉は栄養不良になっています!」と炎症による痛み信号を脳に送ります。循環に関与するのは、筋膜でなく、筋肉です。ですから、筋肉をマッサージすると楽になるのです。
別の状況も考えられます。それは筋膜の硬さは関係ない場合です。
筋肉そのものが硬化した場合、大変強い循環不全が発生します。当然、「栄養不良ですよ!」という炎症による痛み信号もより強力に発生します。この場合も、筋肉をマッサージして循環不全を改善すると楽になります。
そうです、『筋膜に感じている痛みは、硬くなった筋肉が循環不全を起こしていることが原因だった』のです。ですから、筋膜ではなく筋肉をマッサージするほうが効率的なんです。
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