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『東洋医学』と『西洋医学』の違いについて
東洋と西洋の違いは場所の違いではない
東洋医学と西洋医学の違いについて、簡単そうで、とても難しいお話しです。私自身、東洋医学と西洋医学の違いは、
- 「東洋医学」は『機能的疾患』を得意としている。
- 「西洋医学」は『器質的疾患』を得意としている。
機能的疾患とは、「肩が凝って仕事がはかどらない」とか「骨や神経に異常がないのに手がしびれる」というように、第三者が見た目では分からないけど、本人は間違えなく感じている症状のこと。
頭が痛いので病院で見てもらったが異常がなかった→温泉に行ってゆっくりしたら痛みが消えた。
これは、機能的疾患で、身近によく似たことがあると思います。
イメージ的に東洋医学っぽくありませんか?
一方、器質的疾患とは、「胃に穴があいていてお腹が痛い」とか「骨が折れて痛い」というように、第三者が目で見て分かる原因によって発生している症状のこと。
病院で検査をして異常が見つかった→異常部位の手術をした。
これは、器質的疾患で、病院で行っている治療の一例ですね。
これぞまさに西洋医学って感じですよね。
痛いときに行くところと言えば…
病院、温泉以外にも調子の悪い方々が行かれる施設があります。
例えば、街中で見かける『カイロプラティック』です。
カイロプラティックはアメリカ発の医療です。
そういう意味では西洋医学と言えます。
ところが、施術対象としている症状には、機能的疾患が多くあると思われます。
そういう意味では東洋医学と言えますね。
このように、言葉通り「西よりの医学」「東よりの医学」と治療を分けることができません。
なぜ、ややこしい話になっているのでしょうか?
その理由として、日本の法律で『医療行為は医師にしか認められていない』からと言えます。(医師以外の方が行う行為は、『医療従事行為』といって別物と分けられています。)
日本でいう西洋医学とは『医師が行うもの』と理解されていると思います。
こういった、社会(法律)的見方からカイロプラティックは東洋医学と分類されるのです。
カイロプラティック以外に街中でよく見かける『整体』や『リラクゼーションサロン』も、お医者様(ドクター)の行う医療とは違います。
そういう意味では、法律的に東洋医学と思われます。
さて、例に挙げたカイロプラティック、整体、リラクゼーションサロンですが、どちらも日本の法律では医療従事行為を認められておらず、人の体に触って施術を施すことは『違法行為』となります。
ただし、あん摩・指圧・マッサージ師免許(国家資格)を習得していれば問題はありません(合法です)。
このように法律上、
- 西洋医学は医師
- 東洋医学はその他の施術
人は生き物です
しかし、人の体は法律でできているわけではありません。
ここからが、大変難しいのですが、『人の体の症状の多くは、法律で分類できない』ということです。
機能的疾患も器質的疾患も、一人の体の中で同時に混在しており、複雑に絡み合って一つの大きな症状となっていることが多いです。
例えば、「腰椎ヘルニアが確認されたため手術をしたが、まだ腰痛が残っている」場合。
『ヘルニアという器質的疾患』と『腰痛という機能的疾患』が同時に発生しているということです。
本来、医療とは人が健康に元気に生活できるためのものです。
ところが法律によって人が勝手に分けてしまったため、「ヘルニアは手術しかない」とか、「腰痛は手術してもよくならない」とかもうめちゃくちゃになってしまったのです。
今、これを読んでくださっている方の頭の中は、きっと、話がよく分からなくなっていますよね(苦笑)
簡単に腰椎ヘルニアと腰痛の症状の違いを言いますと、
- 腰痛ヘルニアの症状は麻痺(感覚がない、動かない)
- 腰痛の症状は痛み(違和感、はり、重い、しびれなども含む)
ちなみに、『ぎっくり腰』はというと『腰痛の強烈に痛みが強くなったもの』です。
もう一つ、『しびれ』という症状についてです。
しびれは、よく麻痺と間違われていますが、これは『循環不全によって感じる感覚』です。
たとえると、「正座していて足がしびれた」という感覚です。
誤解を招かれるといけないので、もっと詳しく腰椎ヘルニアと腰痛についてお話ししますね。
腰椎ヘルニアで神経を圧迫していたら、痛みは出ません。
しかし、圧迫している状態が長く続くと神経の栄養状態が悪くなり、神経が機能しなくなってしまいます。
こうなると、その神経が通っている体の部分は麻痺(動かない、感じない)が発生してしまうのです。
ですから、事前に神経を圧迫から解放して栄養状態を良くする意味があるのです。
ところが、皆さんがお医者様にかかった理由はなんでしょう?
ほとんど場合、『腰が痛かった!』からですよね。
先ほども述べたように、腰椎ヘルニアは痛くありません。
腰が痛いのは腰の筋肉が硬くなって(縮こまって)発生する循環不全によるものです。
ところが、腰の筋肉の循環不全は病院の検査では発見できません。
検査で見られるのは骨や関節なのです。
その結果、硬くなった(縮こまった)筋肉により関節が変形していればヘルニアと診断されます。
もし、変形が見られなかった場合は年のせいとか体重のせいとかにされてしまいます。
まさに、機能的疾患だけだったケースといえますね。
ヘルニアをまとめると
- 本当のヘルニアなど、神経に悪さをしていたら手術が必要
- 神経に悪さをしている症状は『麻痺』であり、痛みどころか感覚がない
- ヘルニアなどの異常は、検査によって悪くなっている所を目で確認できる
腰痛をまとめると
- 痛みなどの不快な感覚がある
- 筋肉の硬化による循環不全が原因
- 筋肉の硬化は骨や関節を強く引っ張るため、検査によって骨や関節の異常と混同されている(筋肉の硬化はレントゲンやMRなどでは映らない)
「人が法律をつくって勝手に分類したばかりに、治るものも治らないのではないか」
私はそう思っております。
東洋医学と西洋医学と勝手な分類をするより、体の状態を素直に受け止めて様々な視点からアドバイスしてくださる先生に見ていただく事がよいと思います。
難しいことをお話ししましたが、最後までお読みくださりありがとうございました。
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