パワーは22トン!
筋肉の働き【運動】
人一人のパワー!
22トン。これは『成人男性の持つ筋肉量を計算して一方向に放出した際に発生する力』のことです。
象1頭がおよそ6.5トンですから、象3頭分を動かせるパワーというわけです。女性でも腕一本で400キロのパワーがあるので驚きです。
ところが、実際にこんなパワーを出した人はいません。もし、存在するなら漫画や映画のヒーローになってしまいますね。
なぜ、これほどのパワーを秘めているにもかかわらず、発揮することができないかといいますと、中枢神経から力の抑制を受けているからです。
人のように大脳が発達している動物は、より複雑な動きを行うため、中枢神経より「これ以上働いてはダメです」と力を抑えられながらバランスを保っているのです。
抑制を外したらスゴイです
では、中枢神経からの抑制を解除することができたら?それが『火事場の力』です。
火事場から子供を抱えて脱出したり、金庫を持って脱出したりと、いざというときに凄い力を発揮する話は有名です。
それ以外では、麻薬などにより神経が麻痺をして抑制が外れた場合もあります。細身の女性が麻薬によって錯乱状態のとき、屈強な男性警察官が5~6人束になって押さえ込まなければならないほどの力があります。麻薬ほどではないですが、痛み止めの薬でも痛みを抑えますから、抑制によって力が出せることになります。スポーツ選手が風邪薬を飲んだだけでもドーピングとみなされてしまうのはこのためです。
普段、抑制しているワケ
潜在力の話をしていると、なぜ抑制が働いているのか?と思うことでしょう。それでは想像してみてください。22トンの力が働いたら、人はその原型を留めていられるでしょうか?きっと、骨格は破壊され、内臓は体の外に飛び出してしまうことでしょう。こんな状態になった人は、もう、生きていけないでしょう。
ですから、通常、人は力を抑制させ、有り余るパワーから身を守っているのです。