コルセットの取り扱い説明書
腰の痛みにコルセットは有効か?
慢性的な腰の痛みをもっている方から、「私の腰痛にコルセットは有効なのでしょうか?」と質問をいただきました。中腰の姿勢で10キロほどの荷物を運搬するそうです。今までは外部の業者さんが行っていたそうですが、コロナが流行してからは外部の方の出入りが制限されたため社員さんで行うようになった、とのことでした。
荷物を持つ際の姿勢が大切
腰を斜め前に倒した姿勢(前傾姿勢)の状態で重い荷物を運んでいる場合、コルセットを着用しても効果はありません。なぜなら、前傾姿勢を取るだけで腰には大きな負荷がかかっているからです。しかも、この姿勢ではコルセットを装着していても腰の骨や関節や筋肉の負荷は軽減できません。逆にコルセットを装着していると腰の動きを制限させてしまうため血流が悪くなり腰の骨や関節や筋肉の負荷は増えてしまうことでしょう!
コルセットの効果を出すためには、前傾姿勢を見直して体の使い方を正しくしないといけないのです。
腰の正しい姿勢
一番楽な姿勢とは、筋肉に余分な緊張をさせない姿勢です。理想的な姿勢は骨だけで姿勢を保てることでしょう。骨だけで姿勢を保つイメージは、積み木を土台から一つ一つ丁寧に積み重ねていくイメージです。積み木を丁寧に積み重ねていけば、安定して高く積み重ねることができます。腰の場合は骨盤から背骨まで一つ一つの骨を緩いS字型を描くようにイメージします。
主として骨で姿勢を保つため、姿勢を保つために使用する筋肉の力が最小限ですみますし、余分な力が加わらない分、関節にかかる負荷も少なくすみます。
コルセットの特性
コルセットは硬く固定させる特徴をもった装着具です。コルセットを腰に装着させるということは、腰の骨の働きを補佐すると捉えるとよいです。コルセットを装着することで骨盤から背骨全体が緩いS字型を描けるよう使うと良いのです。逆に、それ以外の使い方には不向きといえます。前傾姿勢で荷物を持った状態ではコルセットは全く役に立ちません。
姿勢を正しく保つことで初めてコルセットが役に立つのです。
でも、姿勢を正しく体を使っている方は、腰痛とは無縁ですけどね。